こんにちは。ころすけです。
みなさんは空港で飛行機を見る時、どの飛行機がどの機種か見分けることができるでしょうか?
例えば、「あれはB777だ!」とか「あれはA320だ!」とかです。
名が知れていて誰もが特徴を知っている機種もあれば、そうでない機種もあるかもしれませんね。
A380なんかは誰もが特徴を知っている機種の代表かもしれません。
一方で例えばB777は名前は有名でも、他の機種と見分けられる人は意外に少ないかもしれません。
さらにマニアックになってくるとB777-200とB777-300の違いなどなど。
いずれにしても飛行機の機種にはそれぞれ特徴があって、よーく観察するとその特徴から何の機種か判別することは可能なのです。
ですが肝心のその特徴がよく分からないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では機種ごとの外観上の特徴と、他機種と見分けるポイントについて紹介したいと思います。
今回はデビュー当時には日本でも大きな話題になったB787について紹介したいと思います。
それでは始めましょう。
B787のサイズ B777より一回り小さい中型機
まずは大まかな特徴である機体のサイズから確認していきます。
B787のサイズを分類分けすると、中型の双発機に区分されるかと思います。
この中型サイズは分類されている機種が最も多い区分なので、サイズだけで機種を絞りづらいのが難点ですね。
後でも紹介しますが、B787には基本型のB787-8の他、B787-9、-10と順に胴体が長い派生型があります。
日本で見られるほとんどのB787は-8か-9ですが、モノクラスの国内線仕様だと座席数は300~400席ほどになります。
B777が400~500席、B767が250~300席程度ですから、B787はこの2機種のちょうど間のサイズと言えそうですね。
またB787の機体性能的な特徴として、その燃費の良さと航続距離の長さが挙げられます。
この性能の良さを生かして、B787を国際線の主力機材として運用しているエアラインが多いのですが、そこでもB777よりも若干座席数を押さえたい路線にぴったりな機材サイズになっているのです。
B787の外観上の特徴
それでは次に、B787の外観上の細かい特徴を見ていきます。
1. エンジンカウルのギザギザ。シェブロンノズル。
ぱっと見の外観でB787を見分けるのであれば、まずはエンジンのカウル形状に注目するのが良いと思います。
下の画像を見てください。
B787ではエンジンの排気部分の形状がギザギザしています。
これはシェブロンノズルと言って、ジェット噴射の騒音を低減するのに有効な形状になっているのです。
このシェブロンノズルが採用されている機種は、現在のところB787とB747-8しかありません。
ですがB747-8は数も少ないですし、いわゆるジャンボジェットなので、B787と間違えることはまずないでしょう。
シェブロンノズルは今後開発される機種では主流になる可能性がありますが、いまのところはB787の最大の特徴として頭に入れておくと、他の機種と見分ける際の大きな手掛かりになるのです。
B747-8のシェブロンノズル↓
2. 全体に丸みを帯びた機体形状
B787の外観上の特徴として、これまでの機種と比べて全体に丸みを帯びた形状であることも挙げられます。
上の画像を見ても分かるとおり、特にノーズ(機首)形状で独特な丸みを帯びているのが印象的です。
他の機種と比べると、コックピットウインドウの角の形状もB787では丸みを帯びていることが分かります。
さらにB787ではノーズの先端部分が垂れ下がっていて、鼻の下を若干伸ばしたような顔が特徴であることも、比較するとよく分かりますね。
顔の雰囲気が違うとパッと見の印象が大きく違って見えますから、この差を覚えておくと区別が容易になるというわけです。
ただし1つだけ注意点があります。
このような丸みを帯びた形状は最近主流になりつつあるのか、B787と同じくエアバスが最新鋭機として開発したA350もB787とよく似た外観をしています。
A350は日本ではまだそれほど数多く見られる機種ではないですが、JALを始め導入を進めているエアラインも多いので、他にもB787との見分けポイントをしっかりと押さえておく必要がありそうです。
3. しなやかに伸びたレイクドウイングチップ
B787ではこれまでの機種と大きく違い、構造部材に金属材料ではなく、強化プラスチック製の材料が多く使われています。
このような違いも影響してか、B787の翼は他の機種と比べてシャープで、かつしなやかな形状をしているのが特徴です。
B777の紹介をした記事で、翼の先端を上方に折り曲げるウイングレットではなく、先端を後方に折り曲げるようにして伸ばしたレイクドウイングチップを紹介しました。
B787でもこのレイクドウイングチップが採用されているのですが、B787のウイングチップは先端が滑らかに尖るような独特な形状をしています。
上の画像を見ると、B787のウイングチップの方が角が小さく滑らかな形状をしています。
さらに下の画像ではB787とA350を比較しています。
A350もB787と同様にシャープで滑らかな翼形状が特徴的ですが、先端部分が上方に反り上がったウイングレットになっていることが分かります。
同じくシャープで滑らかな形状が特徴的なB787とA350ですが、翼端の形状に注目すれば容易に区別することができるというわけです。
B787の派生型を区別しよう!ちょっと難しいけれど窓の数で判断できる!
さあ、続いてはB787の派生型の区別の仕方について紹介しましょう。
冒頭でも触れたように、B787は基本型の-8に対して長胴型の-9、-9をさらに長胴型にした-10があります。
今のところB787の主流は-8と-9なので、まずはこの2つの違いについて見てみましょう。
上の画像で違いが分かるでしょうか…
B787-8と-9では、-9の方が前部と後部それぞれの胴体が若干伸びているのですが、ドアの数も同じでほとんど見分けが付きませんね。
なので、この区別はかなり上級者向けになると思うのですが、1番目と2番目のドア間にある窓に注目してください。
B787-9の方では一部埋められている窓がありますが(これは座席配置によるものなので、空いているB787-9もあります)、-9では後ろの窓5つ分が-8と比較して長くなっていることが分かります。
さらにB787-9では、追加された5つの窓の前方に窓のないスペースが空いており、-8と比較するとその違いがよく分かります。
つまり、まず全体的に機体前方部分の窓数を見て多いか少ないかを判断し、決め手としては窓のないスペースがあるかないかに注目することで、B787-8と-9を区別することができるのです。
さあ、続いてはB787-10について見てみましょう。
B787-10は-9をさらに長胴型にしたもので、日本ではANAが2019年に導入しています。
その画像がこちら。↓
手前側の機体がB787-10ですが、どうでしょうか?
B787-10も同じくドアが4つなので区別するのが難しいですね。
ですが先ほどと同じように1番目と2番目のドア間の窓数に注目してみてください。
B787-10では-9と同じように窓と窓の間に空白スペースになっている部分がありますね。
さらに空白スペースの前方と後方の窓の数を数えてみると、前後とも9つの窓が付いています(-9では前方9つ、後方5つ)。
つまり、B787-10では空白スペースを挟んで前後の窓数がちょうどバランスよく見えるわけです。
逆を言えば、窓と窓の間に空白スペースがあるけれど、空白スペース前後の窓数のバランスが悪いと思えば、それはB787-9というわけです。
ちょっと複雑だったかと思いますので、以下にまとめをしておきましょう。
・B787には-8、-9、-10があり、順に胴体が長い
・どの派生型もドアの数は4つで同じなので、1番目と2番目のドア間の窓数に注目する
・途中に窓のないスペースがなければB787-8、スペースがあれば-9か-10のどちらか
・窓のないスペースを挟んで前後の窓数が同じならB787-10、前方の窓数が多ければ-9
どうでしょう?何となく見分けられる気がしてきたのではないでしょうか?
終わりに
いかがでしたか?
B787が日本に最初にやってきたのは2011年のことだったかと思いますが、その後ANAもJALも順調に数を増やして、今では日本の航空会社を代表する機種にまでなっています。
ANAやJALのみならず、海外のエアラインでもB787で日本に乗り入れるパターンが増えており、B787は今や珍しいどころか最もポピュラーな機種の1つなのです。
B787は他の機種と比べた場合には特徴的なのですが、派生型の区別となると他の機種よりも格段に違いを見つけるのが難しい部類に入るかと思います。
JALもANAも、それぞれ保有するB787の中で-8と-9の数は同程度なのですが、これまで-8と-9を区別して見ていたという方は少ないのではないでしょうか?
空港で飛行機を見る際は是非、B787であることはもちろん、B787のどの派生型に当たるのか見極めてみてはいかがでしょうか?
以上!