こんにちは。ころすけです。
みなさんは空港で飛行機を見る時、どの飛行機がどの機種か見分けることができるでしょうか?
例えば、「あれはB777だ!」とか「あれはA320だ!」とかです。
名が知れていて誰もが特徴を知っている機種もあれば、そうでない機種もあるかもしれませんね。
A380なんかは誰もが特徴を知っている機種の代表かもしれません。
一方で例えばB777は名前は有名でも、他の機種と見分けられる人は意外に少ないかもしれません。
さらにマニアックになってくるとB777-200とB777-300の違いなどなど。
いずれにしても飛行機の機種にはそれぞれ特徴があって、よーく観察するとその特徴から何の機種か判別することは可能なのです。
ですが肝心のその特徴がよく分からないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では機種ごとの外観上の特徴と、他機種と見分けるポイントについて紹介したいと思います。
今回はボーイング社のB767について紹介します。
それでは始めましょう。
B767のサイズ 中型機材の中でも若干小さめ?
まず始めは、大まかな特徴である機体のサイズの確認から行います。
B767は分類で言えば中型の双発機、つまり2発エンジンの中型機材です。
前回のA330の時にも触れましたが、この中型サイズは分類されている機種が最も多い区分になります。
B767は誰に聞いても中型の機材と答えが返ってくる機種かと思いますが、中型の中でも若干小さめのサイズに分類されるかと思います。
胴体の長さも胴体の径の大きさも、同じく中型のB787やA330と比べて少しだけ小さくなっています。
例えば、B787やA330ではエコノミ―クラスの座席配列は2-4-2が一般的かと思いますが、B767では2-3-2が標準で一列少なくなっています。
そんなわけでB767は「やや小さめの中型機」といったところになるでしょう。
B767の外観上の特徴
それでは次に、B767の外観上の細かい特徴を見ていきます。
1. 翼上に2つ並んだ非常用脱出ドア
始めの特徴を紹介する前に1つ補足があります。
後でも紹介しますが、B767には派生型として-200、-300、-400があります。
しかし現在では-200、-400はほとんどお目に掛かれず、767と言ったら実質-300だけになるわけです。
なのでここでは、厳密にはB767-300の特徴を紹介することになります。
前置きをしたところで本題ですが、B767-300の特徴は翼上に脱出用のドアが2つ並んでいる点です。
この特徴はB737-800やA320でも同じなのですが、この2機種はB767とは違って小型機材なので、見た目のサイズ感で区別することができると思います。
2. 他の機種とは前後反対に垂れ下がったランディングギア
続いての特徴は着陸してくる時に役立つ見分けポイントで、ランディングギアが垂れ下がる向きです。
下の画像を見てください。
上と下の飛行機でランディングギアがダウンしている時の角度が違う様子が分かるでしょうか?
この画像で上がB767、下がB777です。
B777やその他の機種は下の画像のようにつま先を上げるような角度になっています。
一方でB767はかかとを上げるような角度になっていて、他の機種と前後が逆になっているのです。
なぜこのような設計になっているのか僕も知りませんが、着陸してくる際にこの特徴はB767を見分けるポイントの1つになるのです。
3. 垂直尾翼部分で大きく角度が変わる後部胴体
3つ目は機体のお尻の部分の形状です。
下の画像を見て分かるとおり、B767ではちょうど垂直尾翼の取り付け部あたりから、後部胴体が後端に向かってすぼんでいく形状をしています。
下の画像は同じく中型サイズのA330ですが、後部胴体の形状の違いを比べると一目瞭然です。
実はB767のこのような形状は、同じボーイングのB777やB787でも同様に後端に向かってすぼんでいく形状になっています。
なのでこの形状だけでB767と判断するのは非常に難しいですが、特徴の1つではあるのです。
B767の派生型を区別しよう!もはや-300以外は絶滅危惧種?
それでは次は、B767の派生型について見ていきましょう。
とは言っても先ほども述べた通り、B767と言えば現在ではほぼ間違いなくB767-300と思って差し支えありません。
B767がローンチされたのは1980年代のことで、実は最初にデビューしたB767-200という-300よりも胴体が短いタイプがB767の基本型になります。
B767-200は当時ANAもJALも導入していたはずなので、かつて日本の空を飛んでいたことはあるのですが、現在では全て退役してしまっています。
B767-200の航続距離は6,000km程度だそうですが、なんとこれを12,000kmほどまで伸ばしたB767-200ERというタイプがあり、こちらは数年前までアエロメヒコ航空が成田に乗り入れていました。
B767-200ERの外観はB767-200と変わらずサイズも小さいので「こんな機体がメキシコから日本までノンストップで飛んでくるなんてすごいな!」と思ったものです。
この機体は現在は残念ながらB787に変更されているようです。
冒頭から登場しているB767-300は、基本型の-200の胴体を伸ばしたもので、これが最も製造されたB767になります。
B767-300には航続距離を伸ばしたB767-300ERがありますが、-300ERの方には後にオプションでウイングレットが装備されるようになりました。
B767-300ERのウイングレットはB737 NGと同じように垂直に立ち上がった形状をしていて、ブレンデッド・ウイングレットと呼ばれています。
さらに-300よりももっと胴体の長いB767-400ERという型式があるのですが、こちらを導入したエアラインはほとんどなかったようです。
その他にB767-300Fという貨物専用機があり、こちらはANAで現在も現役で飛んでいます。
B767-300Fの外見はB767-300と窓がない以外変わりはありません。
B767の貨物機には他にB767-300BCFというのがあるのですが、これはBoeing Converted Freighterの略だそうで、元々旅客型として使用していたものを貨物仕様に改修したタイプのことを言います。
B767は40年近く前の飛行機ということで、日本でも退役が進んでいる機種であり、さらに-300以外となるとほとんど見る機会はなくなったと言っても良いでしょう。
国内で見られる & かつて見られたB767
B767は世界的に見るとかなり数が減っているようですが、それでもANAやJALを中心にまだ主力の機材になっていて、日本ではポピュラーな機種のイメージかもしれません。
海外のエアラインでも、最近はB787などに機種変更が進んでいるようですが、5,6年前までは北米のエアラインを中心にB767で日本に乗り入れていました。
ここではJAL、ANA以外のB767や最近まで日本に飛来していたB767を紹介したいと思います。
↓JAL、ANA以外に国内でB767を運航しているエアドゥのB767。今もなお現役です。
↓デルタ航空のB767 (2013年)。航続距離からすると西海岸の都市からの就航でしょうか?
↓ニュージーランド航空のB767 (2013年)。現在はB787で就航しているようです。
↓エアカナダのB767 (2013年)。こちらも西海岸のバンクーバーからの便だったかと思います。
↓一時期関空に就航していたエアカナダ系のエアカナダルージュ (2015年)。
↓貨物専門航空会社UPS (United Parcel Service)のB767F (2014年)。
終わりに
いかがでしたか?
B767は日本でも退役して別の機種への置き換えが進んでいるので、今のうちに見ておいた方がよい機種かもしれません。
もしも空港で飛行機を見る機会がありましたら、ちょっと意識してB767に注目してみてはいかがでしょうか?
以上!