生き方・働き方のヒント

指導について何か勘違いしている人がいると思うので、どこがおかしいのか考えてみた。

年上でも教える相手にはタメ口?

会社に入って、多少なりとも年下が年上にものを教えないといけない場面はさほど珍しくないと思います。

よくあるのが、大卒や院卒で入社直後に現場部門へ研修に行く場合。

別に偏見でものを言うわけじゃないですが、現場部門というのは得てして高卒で入社したとかいう人が多いもの。で、入社数年目が世話係を任されたけれど、大学や大学院を出た1年目よりも若いというパターンはありがちですよね。

事務職でも若くして入社した年下の先輩ってありえますし、他にも中途入社した人が研修に行くパターンとか、年下が先に出世した場合なんかもありえますね。

僕が会社に入って驚いたのが、こうした場合に相手が年上であってもタメ口を使う人が結構いるっていうことです。

僕的には社会の場で年上にタメ口っていうのは基本的にありえないなと思うんですが、業界によっては社員間の壁を作らないためにフレンドリーな意味でタメ口を許容している場合や、お笑いの世界みたいに年齢じゃなくて芸歴が優先って共通認識の場合もあるでしょう。

だから年上にタメ口=無礼ってのはそれだけでは狭い認識なのかもしれない。

でも、ここで言いたいのは「相手が教わる側、指示を受ける側だからタメ口で当然」って認識の人が結構いるようだということ。

ポイントは相手と自分の立場関係を示すためにタメ口を使っていると見えるところ。

だからこういう場合、同じタメ口でもフレンドリーなものではなく、若干相手を見下したようなタメ口になっていると思うんです。

指導=怒ること?

これも実際によく聞く話ですが、ある社員に対して若手の指導者的な立場をやってみないかと上司が尋ねたところ、「自分には向いていない」と返ってきたそうです。

聞いてみると「私は人を怒れないから・・・」というのが理由だそう。

同じような話が僕の周りでもあって、上司の方に聞いてみると、その部署ではこういう人が珍しくないらしい。

職場も近かったんで、実際の様子を見ることも多かったのですが、誰かが誰かを怒っているのをよく見かけました。

確かに教えたり指導するということは相手の間違いを指摘しなければならない場面が多少なりともあるわけで、場合によっては怒る必要もあるとは思います。

でも、ここでも僕が言いたいのは、ここでの「怒る」っていうのは間違いを正すために使われているんじゃなく、相手と自分の立場関係を示すために使われているんじゃないかということ。そしてそのような怒り方をしている人が少なくないのでは?ということです。

実際、先の事例の職場でも、どこか指導される立場の人たちは何もしていないのにビクビクしているように見えて、多分指導=上下関係って意識が根付いているんだろうなと感じられました。

「人を怒れないから・・・」という発言にしても、人を指導できないというよりは、単に怖い存在になれないと言い換えた方がしっくりくるなと思えるのです

指導=相手のマウントを取る みたいな人が多くないですか?

タメ口指導の例にしろ、怒る指導の例にしろ、共通して言えることは相手との上下関係をまず作っているという点です。

教える側が上の立場で、教わる側が下の立場。言ってみれば相手を力ずくで従わせることが指導の大前提になっているわけです。

でも、指導すること=相手を従わせることなんでしょうか?

指導に必要なもの、そもそもの目的は何か

僕が思うに、指導で必要なのは必要な情報を相手に与えることと、必要な気付きを相手に与えることだと思うんです。

そのために必要なのは、教える側が教える内容に関してきちんとした理解があることや、自分の考えを理路整然と伝えられることだけであって、必ずしも上からの態度が必要ではないと思うのです。

そこさえ押さえれば、冷静な口調で、例えば相手が目上の人であっても違和感のない指導ってできると思いませんか?

「ここはこういうやり方をするんですよ。」とか「ここのポイントはこうなんで覚えておいてください。」とか冷静な口調で目的は十分果たせるはずです。

相手の不備を指摘する場合であっても、単に必要な気づきを与えることだけを意識すれば物言いも変わってくると思います。

「あれはまずいですよ。なぜならこれこれこうだから。だから次から気を付けるようにしましょうよ。」みたいに、怒るというよりは諭す口調で必要なことは伝えられるはずです。

逆に上下の立場がなければ指導の目的を果たせないというのであれば、それは指導する側の力量不足の面が大きいと言えるのではないでしょうか?

 

もちろん、相手が何度言っても耳を傾けなかったり、不真面目であったり、横暴な態度を取ったりする場合は多少声を荒げたりする必要もあるかと思います。

でも、その場合は必要な気付きを与える手段としてやむを得ず強硬な姿勢を取っているだけであって、はなから上下の立場関係を築こうと態度に出しているのとは全く理由が異なると思うのです。

いずれにせよ、最初から上下の立場を作って相手を威圧するようなやり方は、互いの信頼関係が築けなかったり、相手が萎縮してしまったりとデメリットしかないと思うのです。

それだけならまだしも、人によっては知らず知らずのうちに自分との上下関係を作るだけで指導している気になっている場合もあるように思いますが、これでは何の意味もありませんよね。

今一度、周りを観察して考えてみてはいかがでしょうか?

以上!

 

 

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