飛行機

パイロットは上空で何をしている?【たまにコックピットに乗る管理人が語る意外な事実】

こんにちは。ころすけです。

今の飛行機はほとんどがオートパイロットで飛んでいると思っていませんか?

はい。その通りです。

実際、よっぽど何か事情がない限りは高度数百メートルの段階でもうオートパイロットにしていることがほとんどです。

特に巡航に入ってしまえば高度の変化もなくなりますし、基本的に直線飛行になるので実際に舵を取ったり、スイッチ類を操作する機会はやはり少なくなります。

「じゃあパイロットは巡航中とか暇してるの?」

と疑問が湧きそうですが、そんなことは全くありません。

パイロットは実際に操縦操作をする以外にもやることがたくさんあるのです。

今回はそんなパイロットのよもやま話を紹介しましょう。

パイロットは上空で何をしている?4つ挙げてみましょう

最初に断っておきますが、僕はパイロットではありません。

ですが、仕事の関係で年に数回コックピットに乗る機会はあります。

コックピットには2名のパイロットシート以外に「ジャンプシート」と呼ばれる予備の席があるのです。

ここには審査パイロットがその日操縦するパイロットの定期審査のために座ったり、航空局の人が監査のために座ったり、航空会社の社員が勉強のために座ったりと様々なのです。

パイロットではない僕が今日の内容を偉そうに語るのもアレだなと思うのですが、少なくとも今日紹介することは実際に自分がコックピットで見た経験に基づくものですし、パイロットから話を聞いたりしたことでもあります。

なので「偉そうに語るんじゃねぇ!」などと言わずに大目にみてください。

ちなみに、今回の紹介は国内線の運航を想定しています。

長距離国際線の運航とかはあまり知らないので、ちょっと様子が違うところもあるかもしれませんが悪しからず。

①到着地の気象情報などを集めて飛行プランを練っている

情報収集のイメージ画像

前置きはさておき本題に入りましょう。

上空でパイロットがやっていることの1つ目は飛行に必要な情報収集です。

その中でも、とりわけ気象情報はもっとも重要な情報になってきます。

気象情報って具体的に何?と言うと以下のような情報です。

到着地の風向風速、滑走路状態、雲の高さ、着陸時の視程(視界)、降下中の揺れ具合 など

例えば、滑走路は風向きによって離着陸する方向が変わります。

そうすると風向きによっては来た方向から反対側の滑走路に大回りして着陸することになり、飛行時間が延びて遅延につながる可能性などを考慮する必要があります。

また風が強すぎる場合は着陸時に姿勢が安定しないことが考えられますし、真横からの風は制限値を超えると着陸してはいけない決まりなので、事前に風速の情報も必要です。

滑走路の状態というのは、滑走路の濡れ具合であったり、降雪時には雪の積もり具合のことを指しています。

このような状態ですとブレーキの利きが悪くなるので、最悪の場合は滑走路を逸脱してしまう恐れがあるのです。

なので事前に滑走路状態を把握することで、使う自動ブレーキの強さやそもそも着陸できるかどうかなどを判断しているのです。

さらに飛行機が着陸するためには、基本的に所定の高度まで降下した時にパイロットの目で滑走路が見えていなければなりません。

この度合いの目安になるのが、雲の高さ地上で見通せる距離(視程)になります。

地上付近に低い雲が垂れ込めていたり、霧が発生していて視界が悪いような状態では、当然着陸しようと降りてくる飛行機のコックピットからの視界も悪くなるからです。

このような情報は、実は目的地空港の情報だけあれば十分というわけではありません。

飛行機は目的地空港に降りられない場合、状況により代替の空港に向かう必要があります。

なので目的地空港の気象状態が良くない時は特にですが、代替空港の気象情報も事前に入手して見込みを確認しておく必要があるのです。

最後の降下中の揺れについては、どちらかと言うと飛行の快適性に影響を与える要素となります。

降下中の揺れを避けながら飛ぶことは難しいですが、事前にどの高度で揺れるか情報があれば、ベルト着用サインを出すタイミングの参考とするなど工夫ができるというわけです。

 

では、これらの情報をパイロットはどうやって上空で入手しているのでしょうか?

実は最近の飛行機では、携帯電話のメール機能に近い装置を使ってこれらの情報を入手しています。

この装置はACARSと言って、欲しい情報について所定のコマンドを打って送信すると、その情報がテキストになって返ってくるのです。

またこの機能はフリーテキストを送受信する機能も持っており、到着地の運航管理基地が集めた情報を文字にまとめて伝えることができますし、社内の内輪の連絡事項も伝えることが可能です。

送られてきた情報はコックピット内のプリンタで印刷することができますから、重要な情報は印刷してコックピットの見やすい位置に掲示しておくのです。

 

ところで、パイロットは飛行中に情報を収集するばかりでなく、実は情報を発信することも行っています

例えば、自分が飛行してきた経路の揺れ具合の情報がそれにあたります。

飛行機に乗るとよく「この先、降下中揺れが続く見込みとの情報が入っており~」とか「この先揺れの情報は入っておりませんが、万一のために着席中はシートベルトを~」とかアナウンスを聞くことはありませんか?

これらの情報は大抵の場合、それより前に同じ、もしくは近くの経路を飛んだ飛行機からの情報に基づいているのです。

天気図を見て揺れを予測することも大切ですが、実際に揺れに遭遇したという事実は非常に参考になるため重宝されるというわけです。

このようにパイロットが報告する実際の飛行で得た情報をPIREP(パイレップ)と言い、こちらもACARSを通じて情報を発信することが可能なのです。

②飛行計画の想定燃料消費と実際に消費した燃料の差を確かめている

燃料計のイメージ画像

エアラインの飛行機は事前に飛行計画を立てる必要があり、飛行計画には経路上のチェックポイントごとに、そこまでにどの程度燃料を消費する想定になるかが記されています。

飛行機が実際に消費した燃料の量や、その時点で残っている燃料の量はコックピット内のディスプレイに表示させることが可能なので、計画での想定と実際の結果を比較することができます

この差を比較することで、計画通りの飛行になっているか確認しているのです。

エアラインにとっては燃料を節約することが最終的な利益にも影響してきますから、燃料消費の結果を見てどうしてそのような結果になったのか振り返り、次のフライトに活かすことも重要なのです。

③隙を見て食事をとっている

食事のイメージ画像

パイロットも人間ですから食事をとる必要があります。

スケジュールによってはちょうど食事の時間に掛かることもありますから、どこかで食事のタイミングが必要です。

この食事を巡航時間中に取ることがあるのですが、別に珍しいことではないのです。

もちろん、パイロットによっては敢えて飛行中に食事を取らない人もいるかもしれません。

こんな話をすると、

「えっ?そんなのフライトの合間の地上にいる時に取ればいいじゃん」

と思うかもしれません。

しかしパイロットの業務では、フライトとフライトの間の地上にいる時間はかなり忙しいのです。

フライト間で地上にいる間、パイロットは次の飛行のために外部点検をしなければなりませんし、コックピット内の装置に次の飛行に必要なデータをセットしたり準備が必要になります。

ですから、地上にいるからと言ってゆっくりとご飯を食べている時間はないのです。

むしろ巡航飛行に入ってすぐの方が、まだ余裕があるというわけです。

ただしそうは言っても飛行中なわけで、食べるにしてもササっと食べてしまう必要があります。

気流が悪くて気が抜けない時間が続いているような場合では、食事を取る余裕なんてなかったなんてこともあるそうです。

④航空日誌に飛行記録の記入をしている

書類記入のイメージ画像

飛行機には1機ごとにそれぞれ、「搭載用航空日誌」というものが載せられています。

この航空日誌には、飛行するたびに飛行した日付、出発地と目的地、飛行時間、飛行中に発生した不具合の記録、機長のサインなどが記入されています。

最近ではこれも電子化するような動きがありますが、これらの記入はボールペンを使って手書きで書く必要があり、空いた時間でやっておかないと後々煩わしい作業になってきます。

食事と同じような部類に入るかもしれませんが、このような雑務に関しても隙を見て済ませておく必要があるのです。

これは余談ですが、ちょっとご年配のパイロットの方の小言で、

「最近の若いパイロットは字が汚い」

なんてコメントを聞いたことがあったような、なかったような。

いずれにせよ、これもパイロットが上空でやることがある例の1つなのです。

それでもコックピット計器の確認と外部監視は怠らない

パイロットの画像

ここまで上空でパイロットがやっていることについて紹介してきましたが、誤解しないでいただきたいのが、パイロットは飛行中のどんな場合であってもコックピット計器の確認と外部監視を怠っているわけではないということです。

2名のパイロットにはそれぞれ役割があって、かならずどちらかが操縦桿を握っている、またはすぐに操縦桿を握れる状態で、外部監視もしている状態を保っています。

この役割のことをPF(Pilot Flying)と言います。

またこの時、もう一方のパイロットはPM(Pilot Monitoring)と言って、主としてコックピット計器の確認と管制官との無線通信の役割を担っています。

今回紹介したようなことを上空でやる場合であっても、必ず一方のパイロットに操縦の役割を任せた上で行っているのです。

しかも、自分自身はPMの役割も果たさないといけないですから、耳や目線は同時並行で常に計器や無線に注意を払っていなければなりません。

このような事実からも、上空でパイロットが暇をしているということは絶対にないと分かるかと思います。

最後に:パイロットは操縦桿を握っていなくても忙しいのです

いかがでしたか?

パイロットの仕事は飛行機を操縦することですが、実際には操縦をしていなくてもやらなければならないことがたくさんあるのです。

飛行機の操縦はマネジメントだとよく言われますが、まさにいつ、何を、どこで、どのようにやるかを常に考えながら行動する必要があるのです。

もしもパイロットに興味を持った方、これからパイロットを目指そうとしている方がいましたら、操縦している時以外にパイロットがすべきことについても事前に知っておくといいと思いますよ。

 

以上!

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