飛行機

【入門編】飛行機の翼の断面形状。空力特性はコレで決まります。

こんにちは。ころすけです。

飛行機が空を飛ぶことができるのは翼があるからで、これは現代ではもはや常識かもしれません。

それと同様に飛行機の翼がただの板切れではないことも、もはや常識だと思います。

しかし、ただの板切れと比較して、飛行機の翼は具体的にどのような特徴があるのか?と問われた時、それらしい答えを返すことができる人は意外に少ないのではないでしょうか?

結論を言うと、飛行機の翼が翼としての能力を発揮できるのは、その断面形状に秘密があるからなのです。

そしてその断面形状を具体的に表現するために、航空工学の世界では様々な言葉の定義が定められているのです。

今回は翼の断面形状の豆知識について紹介したいと思います。

飛行機の翼の断面形状は「翼型」と呼ばれる

翼の断面というと具体的にどこのことを指すのでしょうか?

飛行機の翼の断面とは下の図に示すように、翼を前後方向に真っ二つに切断した時に真横から見た面のことを指しており、専門的にはこの断面図のことを「翼型」と言います。

翼の断面のイメージ 翼型の例

この翼型を工夫することで翼は飛行機の自重を支えるだけの「揚力」を発生させることができるのです。

この翼型は飛行機によってそれぞれ異なるわけですが、共通する特徴が2つあります

それは、

① 前側から中央が膨らんだ形状をしている

② 「へ」の字のように上側がわずかに反った形状をしている

の2点です。

このような形状をしている理由は、流れる空気の速度と方向に上側と下側で差をつけるためです。

中央に膨らみと反りをつけてやることで、翼の表面を流れる空気は上側で速く、下側で遅くなります。

翼型と流れる空気のイメージ

実は流体は流れが速くなると圧力が小さくなり、遅くなると圧力が高くなる性質があるのですが、この性質によって発生する圧力差が上向きの揚力を生むというわけです。

圧力分布と揚力発生のイメージ

翼型を決める各部の名称

翼に発生する揚力は「翼型」を工夫することによって発生するわけですが、この時にふくらみの大きさや反りの大きさの表現方法が定まっていなければ、いざ翼を設計しようとした場合に困ってしまいます。

そのため、翼の翼型にはその形状の特徴を表すことができるように、各部分に名前が付いています。

上面と下面。前縁と後縁。

下の図に示すように、翼型の上側ことを「上面」、下側のことを「下面」と呼びます。

断面形状では上面も下面も一本の線ですが、実際には翼には奥行きがあって、線ではなく面になっているというわけです。

上面下面と前縁後縁の図

また、翼型の一番先端の部分は「前縁」、一番後ろの部分は「後縁」と呼ばれています。

中心線と翼弦線

続いて下の図に示すように、前縁と後縁をちょうど上面と下面の中間を通るように描いた線を「中心線」と呼び、一直線に引いた線のことを「翼弦線」と呼びます。

中心線と翼弦線の図

さらにこれは翼型の形状を定義する名称ではありませんが、翼弦線と気流の流れとの成す角のことを「迎角」英語では「Angle of Attack」と言います。

実はこの迎角は飛行機の動きを考える上で非常に重要な定義になります。

なぜなら飛行機の揚力の大きさは、飛行速度と迎角の大きさを用いた数式により導き出されるからです。

翼弦線と迎角の図

迎角は大きくなると揚力が増すので、大きな迎角を取ってやれば遅い速度でも機体重量を支えることができます。

すなわち遅い速度で飛行する場合には、例えば翼に対して気流が角度をつけて当たるように飛行機の姿勢をコントロールすればよいという具合に、飛行機の操縦と関係してくるのです。

翼厚とキャンバー

最後に「翼厚」「キャンバー」という名称があるのですが、これらは翼型を定義する上で、特にその外形の様子を表す言葉と言えます。

「翼厚」は字のとおり翼の厚さを意味しており、翼弦線に垂直な上面と下面の間の長さのことを言います。

前縁から後縁までの翼厚のうち、最も大きなものは特に「最大翼厚」と呼ばれます。

「キャンバー」は中心線と翼弦線の間の長さと定義されており、簡単に言えば翼の反りの大きさを表す言葉です。

 

翼厚とキャンバーの図

翼厚が大きければ全体的に太めの翼型になっていると言えますし、最大翼厚がどの部分に来るかで形状のイメージは変わります。

また、キャンバーが大きな翼型は反りが大きいので、これもまた形状のイメージに大きく影響する要素であることが分かるかと思います。

翼の空力特性は翼型によって変わる

ここまで見てきたように、翼の翼型は中心線や翼弦線、翼厚やキャンバーといった定義によってその形が決定されます。

翼の空力特性は翼型に大きく影響されるのですが、その特性もこれらの定義に関連してセオリーがあります。

例えば、

・翼厚が薄い方が衝撃波の発生がしにくく、音速に近い速度では有利

・キャンバーの大きな翼型の方が、迎角に対して大きな揚力を得られるが抵抗も大きい

などです。

このように翼型と空力特性の関係を理解する上でも、上で紹介した言葉の定義をしっかりと理解しておく必要があるのです。

終わりに

いかがでしたか?

航空工学の研究者や飛行機の開発者レベルになると、翼型の話題はもっとディープで難解な分野へと広がっていきます。

今回紹介したのは単に言葉の定義についてだけですので、それほど難しい話ではないかと思います。

研究者や開発者でなくとも、パイロットや整備士など航空関連の仕事に携わるのであれば、これぐらいの内容は度々目にしますし、必要な知識だと思います。

航空業界に興味があるという方は、ぜひとも知っておいて損はない内容だと思いますよ。

 

以上!

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