飛行機

【空港の雑学】滑走路灯火(ライト)の秘密!~方向によって飛行機からの見え方が変わる!?~

こんにちは。ころすけです。

みなさんは夜の空港の様子を展望デッキなどから眺めてみたことはありますか?

空港の夜景は青や赤のライトが並んでいて、なんとも言えないイルミネーションみたいに感じられると思います。

でも、実は展望デッキから見える灯りのほとんどは駐機場や滑走路に向かうための誘導路の灯りなのであって、滑走路の灯りはほとんど見えていないんですよね

夜の滑走路がどのような様子か知りたいと思いませんか?

今回は夜の滑走路の灯りの様子を紹介しつつ、その灯りに隠された秘密について紹介したいと思います。

滑走路灯火(ライト)はどのような様子?⇒すごくキラキラしています。

下の図は夜、滑走路の灯りが点いている時のイメージ図になります。

滑走路灯火のイメージ

滑走路全体がライトで縁取られているほかに、白色光や緑、赤の灯火など、実はかなりカラフルなライトアップになっているのです。

もちろん、このライトの目的は滑走路を装飾してイルミネーションを楽しむためではありません。

滑走路灯火は全て、飛行機が夜間に離着陸する際の目印になるように設置されているのです。

先ほどの図で、それぞれのライトの名称を示したものが下の図になります。

滑走路灯火の名称

細かい話をすると空港の規模によって設置されている滑走路灯火の種類は若干異なりますが、ここで挙げたライトの種類が一般的なものと言えます。

これらのライトは全て飛行機が離着陸する手助けになるものですが、それぞれの役割は以下のとおりです。

滑走路灯:滑走路の外形(矩形)を縁取るように設置されているライトで、滑走路の範囲を示すライト。

滑走路中心線灯:滑走路の中心線を示すライト。離着陸しようとする方向に対して、奥側の端は赤色になっている。

滑走路末端灯:滑走路の末端を示すライト。離着陸しようとする方向に対して手前側が緑色で、奥側が赤色になっている。

進入灯:着陸しようとする飛行機に対して、滑走路の延長線を示すライト。

接地帯灯:着陸しようとする飛行機に対して、タイヤが接地する範囲の目安を示すライト。

進入角指示灯(PAPI):Precision Approach Path Indicator。着陸しようとする飛行機に対して、適切な降下角であるかどうかを示すライト。

このようにそれぞれが異なった役割のために設置されているわけですが、用途に応じて色が分けられており、そのために非常に美しいイルミネーションのようにもなっているのです。

素敵ですね。

滑走路灯火の秘密。飛行機から見る方向や角度によって見え方が変わる!?

このように滑走路では様々なライトが光り輝いているわけですが、実はこれらのライトは飛行機から見る方向や角度によって、見え方が変わるような仕掛けが施されているのです。

どうしてそのような仕掛けがあるのでしょうか?

ここではその具体的な仕掛けとその意味を順番に見ていきましょう。

滑走路末端灯や滑走路中心線灯などは見る方向でライトの色が変わる

まずは滑走路の端を示している滑走路末端灯や、滑走路の中心線を示している滑走路中心線灯などについてです。

これらのライトは見る方向によって色が変わったり、ある方向からしか灯りが見えないように工夫されています

下の図を見てください。

滑走路方向と見る向きの違い

滑走路というのは普通、風向きによってどちらの向きにも離着陸できるように使われます。

そうすると、例えばある方向からは手前だった滑走路の端は、反対側から見ると奥側の端に変わってしまうのです。

先ほど、滑走路末端灯は手前側が緑で奥側が赤色になると紹介しました。

なので、どちらの方向から離着陸を行っても問題がないように、状況に合わせて色が変わるような仕掛けが必要というわけです。

下の図は見る方向から色が変わる仕掛けを説明したものです。

見る向きと見える色の違い

図のよう光が出ていくレンズ部分の色が左右で異なっており、方向によって見る色が変わる仕掛けになっているのです。

進入角指示灯(PAPI)は見る角度によってライトの色が変わる

お次は進入角指示灯(PAPI)です。

PAPIは着陸してくる飛行機に対して、適正な降下角(3度)であるかどうかを示すライトです。

PAPIの見え方

PAPIは左右に並んだ4つのライトで構成されていて、色の組み合わせによって降下角が適切であるかどうかを教えてくれます。

白と赤のライトが2つずつ見えれば適正ですが、白が多ければ高度が高くて深い降下角であることを示し、逆に赤が多ければ低い降下角であることを示しています。

下の図は、このように角度によって色が異なるようにする仕掛けを表したものです。

PAPIの色が変わる仕組み

図のように赤色と白色で、光の色が変わる角度を4つのライトそれぞれで変化させているのです

終わりに

いかがでしたか?

滑走路のライトはイルミネーションとして見てもきれいですが、実はきれいなだけでなく様々な工夫が凝らされているんですね。

飛行機の窓は横に付いていますから、なかなか滑走路を正面に見る機会は少ないかもしれません。

ですが、飛行機が滑走路の中に入って向きを変えるタイミングであれば、一方の窓側からは滑走路の様子を奥まで見ることができます。

また、一部の機種では離着陸時の前方の様子を機内モニターに映すことができます。

滑走路の灯りは本当にきれいだと思うので、ぜひ機会がありましたらその様子を直に見てみることをお勧めします。

その際、今回紹介した滑走路灯火の工夫や仕掛けにも思いを巡らせると、また一段と感動が増すと思いますよ。

 

以上!

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