飛行機

飛行機のトイレの仕組みについて解説!

こんにちは。ころすけです。

飛行機の中で用を足した経験はおありでしょうか?

飛行機内のトイレはかつて、循環式の水で排泄物を一緒に押し流していました。

ですが最近では気圧差を利用したバキューム式になっており、これについては最早ほとんどの人が知っている事実かもしれません。

では、バキューム式のトイレの仕組みがどのようなものか、詳細をご存知でしょうか?

一見複雑そうな気がしますが、実はその仕組みは意外に単純であったりするのです。

飛行機のトイレの仕組みについて解説します。

飛行機のトイレの仕組み!垂れ流しではありません。

飛行機のトイレは気圧差を利用したバキューム式です。

バキューム式では汚物を流したい方向の先に一時的に真空に近い状態を作り、空気の力を使って汚物を吸い出すのです

カギとなるのは「真空に近い状態を作ること」ですが、飛行機ではこれに外気を利用しています。

下の図は飛行機のトイレが作動する仕組みを図示したものです。

かなり簡素な仕組みに見えるかと思いますが、実際の仕組みもこのようになっています。

トイレの便座ユニットの下はダクトで繋がっていて、ダクトの入り口にはモーターで開閉するバルブ(フラッシュバルブ)が取り付けられています(①)。

このバルブはトイレ内のFLUSHボタンを押すと、一瞬だけ開くように作動します(その前に給水ダクトから便器内に少量の水が流れます)。

機内トイレの仕組み概略図

ダクトの先は汚水タンク(Waste Tank)に繋がっていて、汚水タンクの先はさらにダクトを通して、外気に通じる穴に繋がっています(②)。

便器下のダクトからWaste Tank、それから外気に通じる穴までのダクトは仕切りなく繋がっていますから、このラインの気圧は外気の気圧と同じになっています。

一方で客室のトイレ内は与圧されていますので、フラッシュバルブを開いた瞬間に便器内の物体は外との気圧差によってダクト内に吸い込まれ、Waste Tankに自動的に運ばれるわけです(③)。Waste Tankから汚物を回収するイメージ図

 

そして一か所に溜まった汚物は地上に降りた際に、専用の回収車によって回収されるというわけです(④)。

なお、B737やA320などの小型の機材ではWaste Tankは1つですが、B777などの大型の機材になるとWaste Tankが2つ以上設置されています。

ただし、Tankが2つ以上あっても、汚物の回収口は大抵機体の後方下部の一か所にまとめられています。

汚物がタンクから機外に飛び出してしまう?Water Separatorの役割。

ここまでが飛行機のトイレの基本的な作動原理になります。

ですが、このままですと少々厄介な問題が発生してしまいます。

先ほど、便座ユニット下のダクトやWaste Tank、Waste Tankから機外へ通じるダクトは仕切りなく繋がっていると言いました。

もしそうだとすると、外気の負圧によって吸い出された汚物は、実際にはWaste Tankを通り越して外気孔から外に飛び出してしまいます

負圧によって機外に汚物が飛び出してしまうイメージ図

これではトイレの排水機構としては全く意味をなしていません。

ではどうなっているのでしょうか?

実は下の図に示すように、Waste Tankから外気に通じるダクトの間には「Water Separator」もしくは「Liquid Separator」と呼ばれるフィルター付いていて、Waste Tankから外気孔に流れ出るのは一緒に吸い出した空気のみとなるように設計されているのです。

Water Separatorの役割と排出される空気の流れの図

さらに外気孔へのダクトの途中には逆流防止弁(一方向のみ空気を通す弁)が付いていて、空気の流れが逆流してしまうのを防いでいます。

つまり、飛行機ではトイレを流した際に、外気孔からちょっと臭いオナラが出るように空気だけが排出されるのです。

地上や低い高度で差圧が小さい場合はどうする?Vacuum Generatorの役割。

さらに実運用を考えると、もう1つ解決しなければならない問題があります。

先ほど、バキューム式では外気と客室内与圧の差圧を利用すると言いました。

では、外気の気圧が大きい地上低高度での飛行時はどうするのでしょうか?

当然、ただダクトを外気に通じているだけでは、汚物を吸引するのに必要な差圧を生み出すことはできません。

実はこのような場合に備えて、外気孔に通じるダクトには途中にVacuum Generator(バキュームジェネレーター)と呼ばれる装置が取り付けられているのです。

バキュームジェネレーターはその名のとおり、ポンプによって負圧を作り出す装置です。

外気圧が高い低高度でトイレのFLUSHボタンを押した場合には、便座下のバルブが開く前にバキュームジェネレーターが作動して、気圧の低い外気に通じている時と同じような吸引の流れを作り出すのです。

バキュームジェネレーターの役割の図

このように、地上やある一定の高度まではバキュームジェネレーターの力を借りて、それ以上の高度では外気の力を利用するといった具合にシステムが切り替わるのです。

(おまけ)手洗いシンクに流した水は外に垂れ流し

最後にこれはおまけですが、トイレには通常、手洗い用のシンクが備えられていて手洗い用の水が流れるかと思います。

このように手を洗う程度に使用して汚れた水のことをグレーウォーターと言うのですが、実はグレーウォーターについては先ほどのように専用のタンクに溜まるわけではありません。

グレーウォーターはダクトを伝って、機体下部に取り付けられたドレーンマストから機外にそのまま放出されるのです。

まっとうな使い方をしていれば、それほど汚い水が放出されるわけではないので問題はありませんが、くれぐれも変なものを流して機外に垂れ流さないよう少しばかり注意が必要というわけです。

終わりに

いかがでしたか?

一見複雑そうですが、種明かしをすれば比較的単純な仕組みでトイレが作動していると理解いただけたのではないでしょうか。

飛行機に搭乗してトイレを使用する際にはぜひ、トイレの排水機構について少しばかり思いを馳せながら使ってみてはいかがでしょうか。

 

以上!

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