こんにちは。ころすけです。
街を歩いていて、ふと「あれって何だろう?何であんな風なんだろう?」と疑問に思うことはありませんか?
今回は「誰もが見たことがあるけれど、ほとんどの人はそれが何か知らない。でも実は飛行機の世界と関係している」というものを2つ紹介したいと思います。
さっそく始めましょう。
あの赤い光は何?あの赤白の模様は何?実は飛行機に関係しています。
下の写真は都会のビル街の夜景です。
現代の人なら見慣れた光景だと思いますが、みなさんはビルで光っている赤い光が何を意味しているか、ふと疑問に思ったことはありませんか?
さらに続いてはこちら。
こちらもよく見る鉄塔の写真ですが、なぜ鉄塔には赤白の模様のものとそうでないものがあるのか疑問に思ったことはありませんか?
実はこれ、どちらも航空機(飛行機)が衝突することを防止する目的で施されているものなのです。
ビルの赤い光は「航空障害灯」と言って、光を発して飛行機に建物があることを知らせるためのものです。
一方で赤白の模様は「昼間障害標識」と言って、昼間であっても目に留まりやすいカラーリングにすることで、パイロットが視認しやすいように施されている模様なのです。
この航空障害灯と昼間障害標識はビルや煙突、鉄塔といった細長い建築物に設置するよう航空法で定められているのです。
設置しなければならない建築物の高さにも基準があって、「60m以上の物件」は航空障害灯や昼間障害標識を設置しなければいけないことになっているのです。
航空障害灯には種類がいろいろ
建物の高さや形状などで航空障害灯の色や光り方が違う
航空障害灯には以下の4種類があって、色や光り方がそれぞれ違います。
航空障害灯の種類
・高光度航空障害灯(白色の閃光)
・中光度白色航空障害灯(白色の閃光)
・中光度赤色航空障害灯(赤色の明滅)
・低光度航空障害灯(赤色の不動光)
設置基準としては、建物の高さが150mを超える場合には高光度航空障害灯を設置しなければならないとなっています。
60m~150mの間は高さや設置できる形状か否かなどによって、中光度~低光度の航空障害灯を設置しなければなりません。
これらの設置基準は結構複雑な様子なので、今回は「高光度から低光度まで建物が高い順に設置義務がある」ぐらいに思っておけば十分だと思います。
航空障害灯の具体例を見てみよう
以下の写真は航空障害灯の例です。
まずは高光度~中光度の白色航空障害灯から。
高さのある塔状の建造物といえば代表的なのがスカイツリーでしょう。
写真では光っているところを捉えてはいませんが、スカイツリーには高光度航空障害灯が矢印の位置に設置されているそうです。
こちらは愛知県にある名港トリトンという下が高速道路になっている橋。
こういった大きな吊り橋でも、柱のてっぺんでピカッピカッと灯りが発光しているのを見たことがあるかと思います。
これが航空障害灯だったというわけです。
お次は中光度~低光度の赤色航空障害灯です。
ビルの屋上で赤く光っているのが航空障害灯です。
ちょっと思い出してほしいのですが、ビルにある赤い灯りってぼや~ぼや~と点滅を繰り返す光と、ずっと点灯したままの光と2種類ありませんか?
この点滅する赤い光が中光度赤色航空障害灯で、ずっと点灯したまま(不動光)の赤い光が低光度航空障害灯なのです。
昼間障害標識は赤白の塗装
いろいろな昼間障害標識
続いては昼間障害標識の例を見てみましょう。
まずはこちら。↓
赤白の代表と言えばこの方。東京タワーですね。
東京タワーがなぜ赤白なの?という答えは航空法にあったわけです。
他にこんなものも赤白のカラーリングのイメージがありませんか?↓
煙突も高さが60mを超えるものがありますから、工業地帯の工場群なんかを見るとこのような光景がよく見られると思います。
これらが実は昼間障害標識だったというわけです。
高さがあっても昼間障害標識が施されていない例外がある?
昼間障害標識の設置基準は60m以上の煙突や鉄塔などですが、明らかに60m以上あるのに赤白の模様になっていない建物もあります。
60m以上だけれど赤白でない例1 ~スカイツリーの場合~
まずは先ほども出てきたスカイツリー。
こちらは高さが634mなので明らかに60mを超えています。
ですが、見てのとおり赤白のカラーリングにはなっていません。
これは、スカイツリーでは赤白の昼間障害標識を施す代わりに高光度航空障害灯が設置されているため、昼間障害標識は免除されているからなのです。
60m以上だけれど赤白でない例2 ~名古屋テレビ塔の場合~
お次はこちら。
上の写真は名古屋の栄にあるテレビ塔です。
こちらも高さが180mあるので、昼間障害標識の設置義務があるはずです。
ですが、スカイツリーと同様に名古屋テレビ塔も赤白のカラーリングではありません。
この理由はスカイツリーとは少し異なります。
実は名古屋テレビ塔は、昼間障害標識の設置基準を定めた航空法が施行される前に完成した建造物なので、その時点での新しい法律の対象外となったからなのです。
このように赤白のカラーリングが施されていない建造物でも、それぞれ理由が異なるというわけです。
面白いですね。
終わりに
いかがでしたか?
今回の話は、誰もが普段何気なく見ていて、誰しもが一度は「何でだろう?」と頭をよぎったことがある内容だったのではないでしょうか?
僕はこの話を初めて聞いた時、「おぉ!なるほど!」と少し感動すら覚えましたが、みなさんはどうでしたか?
意外と知られてそうで知られていないトリビアだと思うので、機会がありましたらドヤ顔でうんちくを垂れてみるのもいいかもしれませんね!
ウザがられるかどうかの責任は負いませんが・・・
以上!