こんにちは。ころすけです。
ボーイング777やエアバスA380は飛行機に詳しくない人でも聞いたこと、見たことがあると思います。
これらを総称して呼ぶ時、当たり前ですが「飛行機」と言いますよね。
でも飛行機のことをまれに「航空機」って言ったりしませんか?
実は「飛行機」と「航空機」は意味するところが違うのですが、その違いをご存知でしょうか?
似たような話で、遊覧飛行などをする小型の飛行機を見ると、「セスナ機」の語を思い浮かべると人が多いと思います。
でもこの「セスナ機」ってどういう意味なんでしょうか?
今回は名称に関わる小話をしてみたいと思います。
航空機と飛行機は別物!正解は航空法にあり!
航空機と飛行機。
時として同じものを指すかのように使われる2つの言葉ですが、実は違います。
何がどう違うのかと言うと、法律上の定義が違うのです。
航空機や飛行機について定めた法律は航空法ですが、航空法の条文には以下のような記述があります。
航空法 第2条
この法律において「航空機」とは人が乗って航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器をいう。
条文を見ると分かるとおり、「航空機」というのは飛行機を含む機器を指す言葉であって、飛行機以外にも航空機があるということなんですね。
イメージを示してみると下図のとおりです。
「航空機」というカテゴリーの中に、飛行機や回転翼航空機が含まれているのです。
それでは、ここからは航空機に含まれるこれらの詳細について見ていきましょう。
飛行機
飛行機は航空機の中で一番なじみが深いかもしれません。
航空機が飛行機であるためには、航空法で定められる飛行機としての条件を満たす必要があるのですが、簡単に言えば胴体に固定された翼を持ち、ジェットエンジンやプロペラエンジンで推進力を得るものが飛行機になります。
当然、ボーイング777のようないわゆる旅客機も「飛行機」に分類されますし、遊覧飛行に使うような小型の機体も飛行機に分類されます。
↑ボーイング777はジェットエンジンを推進力とする飛行機に分類されます。
↑遊覧飛行に使うようなプロペラ機も「飛行機」であり、ジェット旅客機と同じ航空機の種類に分類されます。
回転翼航空機
「回転翼航空機」は聞きなれない言葉ですが、ヘリコプターのことを指しています。
ヘリコプターも飛行機と同じ「航空機」の仲間なんですね。
飛行機と同じように回転翼が一つのヘリコプターもあれば、下のように回転翼が2つのヘリコプターもあります。
滑空機
「滑空機」というのもあまり聞いたことがないのではないでしょうか?
滑空機とはグライダーのことです。
ただ、グライダーと聞いてもピンとこない人もおそらく多いと思います。
百聞は一見にしかずということで、下の写真のような機体がグライダーです。
見た目は飛行機のようですが、よく見ていただけると分かるようにエンジンがついていません。
グライダーは最初はエンジンの付いている「飛行機」で引っ張っていってもらったりして、上空で切り離した後は紙飛行機のように滑空しながら飛行する航空機です。
ただ滑空するだけと侮ってはいけなくて、グライダーは自然に発生する上昇気流にうまく乗ることで高度を上げたり、長く飛んだりすることができるのです。
気象条件によっては、上昇気流で3000m以上の高度まで上がったり、10時間近く飛行を続けることだってできるのです。
グライダーも航空機ですから、飛行機や回転翼航空機と同じように航空法が適用されます。
飛行船
飛行船も航空機の仲間です。
飛行船と言えばこんな感じの乗り物ですね。(いい写真がなかった・・・)
そう言えば飛行船って僕はちゃんと見たことがないような。
同じようにヘリウムなんかの軽い機体を入れて空を飛ばすものに「気球」があります。
アメリカの航空法ではこれらを総称して「ライターザンエア(Lighter than Air)」と分類されるようですが、日本では気球は「航空機」には含まれません。
その他政令で定める機器
航空法では政令で特別に定めたものは航空機に分類されるとされています。
ですが、現在のところ政令でこれに該当する機器は定められていません。
セスナ機と小型機も別物!
セスナは航空機メーカーの名前
小型機と言えば「セスナ」の語が思い浮かびますが、セスナというのは実はアメリカにある小型飛行機のメーカーの名前なのです。
ただ、小型機の市場で大きなシェアを占めているせいか、小型機=セスナのイメージが定着したというわけです。
セスナ社以外の小型機メーカーは?
小型機のメーカーとしてはセスナ社の他にアメリカのメーカー2社が有名ですね。
セスナ・エアクラフト
パイパー・エアクラフト
ビーチクラフト
このあたりが小型機(軽飛行機)のビッグスリーと言われています。
なので、パイパーやビーチクラフトの機体なのに「セスナだ!」と言ってしまうと勘違いになってしまいます。
もしも小型機に乗る機会があれば、どこのメーカーの飛行機か気にかけてみるのも面白いかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
航空機や飛行機など、違いを気にせず何気なく使っている言葉も、きちんと定義が分かれていたりするんですね。
最後に、簡単にまとめをしておきます。
・航空機とは航空法で定められた総称名である
・航空機には飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船、その他政令で定める機器がある
・セスナというのは小型飛行機のメーカー名である
・小型飛行機のメーカーでは他にアメリカのパイパー、ビーチクラフトが有名