飛行機

飛行機内でタバコを吸うとどうなるのか?煙検知の仕組みを紹介!

こんにちは。ころすけです。

かつて飛行機の中でも一部の座席では喫煙が許されていましたが、今や飛行機の機内は禁煙が当たり前になっています。

タバコ=火の使用に繋がりますから、テロや火災の発生を未然に防ぐためということはもちろん、社会的なモラルとして喫煙に対する世間の目が厳しくなったことも一因と思われます。

さて、そんな「全席禁煙」の飛行機の中なわけですが、仮に機内でタバコを吸ってしまった場合、一体何が起こるのでしょうか?

飛行機にはタバコに限らず、火災などによる煙を検知するシステムが装備されているのですが、このようなシステムは実際にどのように作動して何が起こるのでしょう?

今回は飛行機における煙の検知について解説したいと思います。

絶対やっちゃダメ!でも、機内でタバコを吸うと何が起こる?

敢えて忠告しなくとも当然の話ですが、大前提として機内でタバコを吸うことは絶対してはなりません

最近では電子タバコや加熱式タバコもダメということが明文化されているようですので、今一度注意を促しておきたいところです。

ですが、万が一客室内でタバコの煙が発生した場合、飛行機の中では何が起こるのでしょうか?

いくつか答えの候補を以下に列挙してみました。

1. 何も起こらない。(客室乗務員が人の目で監視している)

2. スプリンクラーが作動して水が放出される。

3. 火災報知器が作動し、機内に警報音が響き渡る。

4. コックピットからの操作で、煙が発生した箇所に消火剤が散布される。

さあ、どうでしょうか?

ちょっと捻くれているかもしれませんが、実は正解は1と3です。

「えっ?何も起こらないってどういうこと?」って思われるかもしれませんが、順を追って解説をしていきましょう。

トイレの中には警報装置が設置されている。

飛行機には主としてタバコの煙を探知するための装置が設置されているのですが、”客室”の中でそれが設置されているのはトイレ(Lavatory:ラバトリー)の中になります。

なのでトイレの中でタバコを吸った場合、トイレ内の煙探知機(Smoke Detector:スモークディテクター)が作動して警報を発するのです。

これが先ほどの問では3番の答えに該当します。

ではトイレ以外の客室はどうでしょうか?

実はトイレ以外の座席空間では、煙を検知するような装置は設置されていません

座席では他のお客さんもいて人目に付くので、まず堂々と煙草を吸う人はいないでしょうし、客室乗務員の目も届くのですぐに不審なお客に気づくことができます。

これが1番の「何も起こらない。(客室乗務員が人の目で監視している)」を正解とした理由です。

・トイレ(ラバトリー)の中には煙探知機(スモークディテクター)が設置されていて、警報音が鳴る。

・座席ではスモークディテクターは設置されていない。

ちなみにスモークディテクターが作動すると、スモークディテクター自体が警報音を発すると同時に、パイロットがいるコックピットにもスモークディテクターが作動したことを示す警報音とメッセージが出されます

ですが、警報やメッセージが出たからと言って、パイロットが何か操作して警報に対処することは基本的にありません

客室トイレの対処は客室乗務員が責任を負いますから、対処するのは客室乗務員であり、パイロットへは状況認識のために警報が出ているだけというわけです。(もちろん、パイロットが直接何か手を出すでないにしろ、機内電話を使って客室乗務員と状況確認や情報のやり取りは行うでしょうが。)

煙探知機(スモークディテクター)の仕組み

それではここで少し、スモークディテクターが煙を検知する仕組みについて見てみましょう。

スモークディテクターにはいくつか種類があって、光電式(Photoelectric Type)イオン式(Ionized Type)があります。

光電式(Photoelectric Type)

光電式では、スモークディテクター内部に光を発する光源と、光を受けると反応する受光センサーを持つ構造が一般的です。

通常は光源からの光は直進するため、受光センサ―が反応することはありません。

スモークディテクター内に煙が侵入してくると、煙によって光源からの光は周囲に散乱し、受光センサ―に光が届くようになります。

受光センサ―が規定値以上の値を示す(煙の濃度が十分濃い)状態になると警報を発するという仕掛けです。

光電式のスモークディテクターのイメージ

また、光電式では他に光の屈折率の違いを利用するものもあるようです。

光源から波長の異なる2つの光が発射されており、通常は2つの光の進路に違いは生じていません。

ここへ煙が侵入してくると光は屈折させられるのですが、この時に波長の違いによって屈折率に違いが生じます。

この時に発生する差を利用して煙を検知するのです。

イオン式(Ionized Type)

続いてイオン式のスモークディテクターですが、こちらは機器の内部で微量の放射線ビームが発射される構造になっています。

放射線ビームが電極間に放たれると、その間の空気が放射線によってイオン化され、機器の内部では電流が流れることになります。

ここに煙が侵入してくると空気のイオン化が乱され、通常時と比べて電流値に差が生じます。

これによって煙が発生していることを検知するのです。

イオン式のスモークディテクターのイメージ

【+αの豆知識】貨物室の内部にもスモークディテクターは設置されている。

客室の話からは逸れますが、スモークディテクターは客室のトイレだけでなく、預け入れ荷物などを搭載する貨物室にも設置されているのが普通です。

貨物室のスモークディテクターも、煙を検知するとコックピット内で警報やメッセージが発せられる仕組みになっています。

先ほど、客室トイレのスモークディテクターの作動に対しては、パイロットが直接何か手を出すことはしないと説明しました。

ですが、貨物室内の煙の検知に関しては、警報を受けた時に実施する対処のチェックリストが定められており、状況によってはコックピット内の操作パネルから貨物室内に装備された消火剤を散布する手順になっています

貨物室内は無人で何が原因で煙が発生しているか確認することができないですし、人が行って消火作業ができる場所ではありません。

ですから、「煙の発生=何か搭載物が燃えている可能性」を考慮して、パイロットが遠隔操作で消火剤の操作をするんですね。

終わりに

いかがでしたか?

スモークディテクターはできれば作動してほしくない装置の1つですが、もしもの場合に備えて必要な場所に必要なだけ設置されているんですね。

繰り返しになりますが、飛行機の中での喫煙は絶対にしてはいけません。

トイレでこっそり吸おうと思っても、今回紹介したようにスモークディテクターを作動させるだけですので、到着まで我慢するしかないということですね。

 

以上!

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