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航空無線入門!まずはATISから聞いてみよう!理由は2つあります。

こんにちは。ころすけです。

この記事を見ているあなた!

このタイトルに興味を持ったのであれば、少なからず航空無線に興味があるということで間違いないですね!

今回は航空無線の入門編として、ATISと呼ばれる無線放送について紹介します。

 

航空無線を聞くならまずATISから聞いてみよう!

初めての航空無線

航空無線を聞いてみようと興味を持っても、一体どの周波数を聞けば良いのか分からない人も多いのではないでしょうか?

少しでも航空無線を聞いたことがある人であれば、初めは飛行機へ離着陸許可を出す「タワー」を聞くのが面白いのではないかと思います。

では、まったく初めて航空無線を聞く人はどうでしょう?

個人的には「ATIS」を聞いてみるのが良いのではと思います。

ATISはAutomatic Terminal Information Serviceと言って、読みは「エイティス」または「アティス」です。

どうしてATISを勧めるのか?

理由は2つあるのです。

【理由その1】周波数を合わせればいつでも聞こえる!

ATISを勧める理由の1つ目は、時間やタイミングに左右されることなく音声を拾える点にあります。

ATISは録音された音声が自動的に放送される無線局で、内容は気象情報や使用中の滑走路など、その空港での離着陸に必要な情報です。

パイロットは離着陸前にこのATISを聞くことで空港の運用状況を把握するわけです。

このATISの内容は常時繰り返して放送されているため、周波数を合わせれば必ず音声が聞こえてくるのです。

ある程度便数のある空港では、例えばタワーなど離着陸機に許可を出す無線周波数も通話の頻度が高いですが、それでもタイミングが悪ければ無音の時間が続くことがあります。

航空無線を聞いた経験があって、その周波数で待っていればいずれ管制の通話が聞こえてくると分かっていればよいのですが、まったく初めての場合は自分が正しい周波数に合わせているかどうか自信が持てないものです。

その点、ATISは空港の敷地内にいればまず間違いなく、周波数を合わせた瞬間にクリアに音声が入ってきます。

初心者の方にとっては「周波数を合わせれば音声が聞こえてくる!」ということがまず第一に体験する航空無線の面白さだと思うので、スムーズに音声を聞くことができるATISはうってつけなのです。

【理由その2】内容が定型文なので耳慣れには最適!

ATISを勧める理由の2つ目は、放送されている内容が定型文であるということです。

ATISで放送されている情報は、情報の時刻、現在の進入方式、使用中の滑走路、離陸後の出域管制席の周波数、風向風速、視程、雲量と雲高、雲の種類などの情報で、どの空港でも流れは同じです。

なので事前にどのような情報が流れてくるのか知っておけば、初めて聞いても割と理解することができるのです。

「無線を聞き始めたはいいけれど、言ってることがちんぷんかんぷん」では、せっかくの無線も「面白い!」と感じることはできないでしょう。

ただ、そうは言ってもATISを理解するにはある程度の事前知識が必要です。

なので、ここでは試しにATISの放送内容を書き起こしてみることにしましょう。

下の内容は羽田空港にて南風で運航されている日のATIS例です。

Tokyo International Airport, Information S. 0430.  LDA W Runway 22 Approach and LDA W Runway 23 Approach.  Landing Runway 22 and 23. Departure Runway 16L and 16R.  Departure Frequency 126.0 from Runway 16R.  120.8 from Runway 16L.  Simultaneous LDA Approaches to Runway 22 and 23 are in progress.  Wind 100 degrees 7 knots. Visibilities 10km.  Few 3,000 feet cumulus, scattered height unknown.  Temperature 18, dew point 12.  QNH 3013 inches.  Advise you have information S.

 

(和訳)

東京国際空港のATIS情報Sです。世界標準時4時30分の情報になります。現在の進入方式はLDA W Runway22アプローチとLDA W Runway23アプローチです。着陸滑走路はRunway22と23です。離陸滑走路はRunway16Lと16Rです。出域管制席の周波数はRunway16Rからは126.0、Runway16Lからは120.8です。Runway22と23への同時平行LDA進入を実施中です。風は100度から7ノットです。視程は10kmあります。3,000フィートの高さに全天の1/8~2/8の雲量の積雲が、高度不明ですが全天の3/8~4/8の雲量の雲が観測されています。気温は18度。露点温度は12度です。気圧高度計の補正値は30.13 inchです。ATIS情報のSを入手したことを伝えてください。

このような感じです。

気象情報のところで「Few」を1/8~2/8の雲量、「Scattered」を3/8~4/8と訳していますが、FewやScatteredは雲量を表す用語です。

雲量を表す用語としては他に以下のような言葉で表されます。

Few(フュー):全天の1/8~2/8の雲量

Scattered(スキャタード):全天の3/8~4/8の雲量

Broken(ブロークン):全天の5/8~7/8の雲量

Overcast(オーバーキャスト):全天の8/8の雲量

また、「Cumulus」は積雲のことを指しています。

雲にも他に以下のような種類があります。

Cirrus(シーラス):巻雲

Cirrostratus(シーロストラタス):巻層雲

Cirrocumulus(シーロキュムラス):巻積雲

Altostratus(アルトストラタス):高層雲

Altocumulus(アルトキュムラス):高積雲

Nimbostratus(ニンボストラタス):乱層雲

Cumulus(キュムラス):積雲

Stratocumulus(ストラトキュムラス):層積雲

Stratus(ストラタス):層雲

Cumulonimbus(キュムロニンバス):積乱雲

このうちATISの放送で登場するのは、大体が積雲、高積雲、層積雲、層雲あたりでしょうか。

これらは単語を知らなければ聞き取れないので、覚えておくようにしましょう。

このように事前に流れてくるフレーズを想像することができるので、ATISは初心者向けに適しているのです。

ATISが実施されていない空港では「タワー」がお勧め

タワーと飛行機の交信イメージの図

初心者にお勧めのATISですが、実は全ての空港で放送されているわけではありません。

ATISは交通量の多い大きめの空港以外では実施されていないのです。

なので、もしも無線を聞きに行く空港でATISが実施されていない場合は、「タワー」を聞くことをお勧めします。

タワーは主に離着陸の管制を担当していて、「Cleared for takeoff(離陸を許可します)」や「Cleared to land(着陸を許可します)」といった知名度の高いフレーズが使われるため、初心者にも馴染みやすいからです。

また、飛行機が管制許可を得て実際に離着陸する光景を実感できるので、単純に見ていて面白いと感じやすいのです。

ただし、離着陸機がいない場合は周波数を合わせていても無言の時間が続きますので、運航状況を確認して、離着陸機がやってくるタイミングでレシーバーの電源を入れるとよいでしょう。

無線を聞くときはマナーを守りましょう

礼儀正しいマナーのイメージ

誰もが簡単に聞ける航空無線ですが注意点があります。

無線の運用は電波法という法律でルールが定められていて、個人が通信を聞くだけであれば問題はありませんが、それを他人に公開したり聞かせたりすることは禁止されています。

ですので、無線を聞くときは必ずイヤホンをして、受信した内容が周りに漏れないように配慮する必要があります。

また、無線を聞きやすいポイントは、空港の展望デッキなど家族連れや子供連れの方が多いエリアが定番かと思います。

ついつい夢中になって周りへの配慮がおろそかにならないように、小さい子が飛行機を見たそうにしていたら譲ってあげるなどしてあげてくださいね。

エアバンドを聴取可能な受信機は安いもので20,000円前後から購入できます。↓

これを機会にぜひ、エアバンドを始めてみてはいかがでしょうか?

終わりに

いかがでしたか?

航空無線は初めは取っ付きづらいですが、内容が分かってくると徐々に面白くなってくるものです。

最近ではインターネット上で航空無線を聞くことができるウェブサイトもありますので、どのようなものか試しに聞いてみるのも良いかもしれません。

航空無線に興味がありましたら是非、空港で手ぶらで飛行機を見るだけでなく、無線レシーバーを片手に飛行機を眺めてみてはいかがでしょうか?

以上!

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